稲光誠一税理士事務所

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消費税

消費税とは

広く公平に負担を求める税金として、私たちがモノを買うときやサービスを受け時はほとんどの場合消費税を支払います。つまり、税金を負担しているのは一般消費者で、その税金を実際に税務署に納めているのはスーパーなどの事業者ということになります。このように、担税者と納税者が違う税金を「間接税」といい、消費税は間接税の代表的な税金です。

申告期限

消費税はその事業年度終了の日の翌日から2月以内(個人事業者の場合は3月31日)までに申告・納付しなければなりません。

計算・申告

  1. 売上にかかる消費税額を求める
  2. 仕入にかかる消費税額を求める
  3. (1)(2) により納付する消費税額を算出する

消費税を負担するのは最終消費者である一般人です。しかし負担者である消費者が、買い物をするたびに逐一消費税分を持って税務署や金融機関に納めに行くのは無理があります。そこで、消費者がスーパーなどで1,000円分の買い物をする時、50円の消費税額をそのスーパーに支払います。つまりスーパーは消費者が負担する50円の消費税を預ったことになります。
また、スーパーは市場などの卸売業者から600円分の仕入をした際に、その市場に30円の消費税を払います。これはつまり消費者が負担する50円のうち30円を市場が預ったことになります。したがってスーパーは

1.売上げにかかった消費税50円−2.仕上げにかかった消費税額30円=20円

が納付税額となります。
同様に市場は生産者から200円の仕入をした際に10円の消費税をその生産者に支払ってますので、

1.売上げにかかる消費税30円−2.仕上げにかかる消費税額10円=20円

が納付税額となり、生産者は、

1.売上げにかかる消費税10円

が納付税額となります。
このようにスーパーが20円、市場が20円、生産者が10円納付することで、消費者が負担した50円が納められることになります。

* 便宜上「売上」とは実際に商品を売った場合、「仕入」とは実際に商品を仕入れた場合として書いてますが消費税においては「売上」とは実際の売上だけでなく、建物や車などの資産を売った場合や銀行から利息を受け取った場合などの収入全般を言い、「仕入」とは実際の仕入だけでなく、電気・水道・ガス代や給料、消耗品費や支払利息などの支出全般を言います。

T.消費税がかかるもの・かからないもの

このように、消費税額の計算の仕組みは
「課税売上にかかる消費税額」−「課税仕入にかかる消費税額」
で計算します。
しかし、すべての取引につき消費税がかかるわけではありません。通常は「事業者が、国内において、事業として、対価を得て行う資産の譲渡等には消費税を課する」とされています。
つまり・・・

【a】事業者が
事業を行っていない一般の人同士で資産を売買しても消費税はかかりません。
【b】国内において
海外出張先でモノを買っても日本の消費税はかかりません。
【c】事業として
法人の行う取引はすべて「事業として」行われたことになります。個人事業者の場合は、自宅用の資産を売った場合などは消費税はかかりません。
【d】対価を得て
お金を払ってモノを買ったりサービスを受けたりすることです。見舞金として支払った交際費や寄付金などは対価性がないので消費税はかかりません。
【e】資産の譲渡等
モノの売り買いやサービスの提供を言います。

これらの要件を全て満たすものを「課税取引」といい、消費税がかかります。
またこれらの要件をすべて満たしたものであっても、次の一例に挙げるものなどは消費税の性格や社会政策的配慮により消費税はかからず「非課税取引」となります。
上記【a】〜【e】の要件を一つでも満たさないものは「不課税取引」となり消費税はかかりません。

【非課税取引の一例】
  1. 【1】土地の譲渡又は貸付
  2. 【2】預貯金や貸付金にかかる受取利息や、借入金にかかる支払利息
  3. 【3】商品券などの物品切手
  4. 【4】住宅の貸付
  5. 【5】その他

こうしてすべての取引はつぎの3つに大別されます。

【1】課税取引
【a】〜【e】すべての要件を満たし、かつ、非課税取引に該当しないもの
【2】非課税取引
【a】〜【e】すべての要件を満たすが、消費税の性格や社会政策的配慮により、課税の対象として馴染まないもの。
【3】不課税取引
【a】〜【e】の要件をひとつでも満たさないもの。

しかし決算書の数字は消費税がかかるもの・かからないものを全て含んだ数字です。したがって、帳簿を開いて全ての取引について、「課税取引」「非課税取引」「不課税取引」に区分しなければなりません。そしてこの3つに区分する作業(「課非区分」といいます)が消費税において最も基本的な部分であり、実務上最も手間を要する部分です。
以下、この「課非区分」について説明します。

U.課非区分の具体例

【売上関係】
・ 売上高の中に商品券などの非課税資産の譲渡によるものが含まれていないか
・ 雑収入の中に受取地代や受取利息など非課税売上となるものがが含まれていないか
などをチェックして区分します。
【仕入関係】
・ 経費のうち給料や寄付金、減価償却費などは消費税の対象外(不課税)です
・ 保険料、租税公課、借地代は非課税仕入です
・ 交際費のうちに見舞金や慶弔金などがあればそれは対象外(不課税)です
・ 例えば車等の資産の購入にかかった金額のうち本体価格は課税仕入です
・ 車の購入にかかった諸経費のうち消費税のかかる課税仕入の金額と、自動車税・自賠責保険料などの消費税がかからない非課税仕入・不課税仕入の金額とを区分します

その他

  1. 納税義務者
    すべての事業者が消費税を納めなければならないのかというと、そうではありません。規模の小さな事業者については納税事務負担も重たくなる、といった理由により納税義務が免除されます。
    この「規模が小さい」か否かの判定は「基準期間(注1)における課税売上高が1,000万円以下」か否かにより行われ、1,000万円以下であれば納税義務が免除され(免税事業者)、1,000万円を超えれば納税義務が課されます(課税事業者)。
    注1:基準期間とは一般には2年前の事業年度のことを言います。
  2. 簡易課税制度
    今まで説明してきた計算方法が消費税の原則的な計算方法で、一般課税といいます。
    これに対し、基準期間における課税売上高が5,000万円以下の事業者は、届出をすれば、2.の仕入れにかかる消費税額を「簡易課税制度」により計算、申告することができます。
    【計算方法】
    簡易課税では、「1. 課税売上にかかる消費税額」の計算は一般課税と変わりませんが、「2. 課税仕入れにかかる消費税額」の計算につき、 「1. 課税売上にかかる消費税額」に次のみなし仕入れ率をかけて計算した金額を課税仕入れにかかる消費税額とみなして、1.2. により納付税額を計算します。
    みなし仕入れ率
    第1種業種 卸売業 90%
    第2種業種 小売業 80%
    第3種業種 製造業、農林水産業等 70%
    第4種業種 飲食店業、保険業、その他 60%
    第5種業種 不動産業、運輸通信業、
    サービス業(飲食店業を除く)
    50%
    簡易課税制度では実際にかかった仕入れについては一切考慮しません。
    また、売上については課非区分は当然行いますが、それをさらに上記の第1種業種から第5種業種の業種別に区分します。
    具体的には…
    売上高31,500円(税込)のうち、同業他社に売った分が21,000円(卸売業)
    一般消費者に売った分が10,500円(小売業)
    1. 売上にかかる消費税額1,500円を事業種ごとに区分する
      ⇒第1種業種  1,000円
        第2種業種   500円
    2. 1. の金額に、それぞれみなし仕入率をかける
      ⇒ 1,000円 × 90% = 900円
          500円 × 80% = 400円
         合計   1,300円
    3. 納付税額  1,500円 − 1,300円 = 200円
  3. 消費税は4%!?
    今まで便宜上「消費税は5%」として進めてきましたが、正確に言うと
    国に収める消費税…4%(国税)
    地方に収める地方消費税…1%(地方税)の合計で5%となっています。
    (消費税法では「消費税」といえば国税の4%分のことを言い、5%分を表すときは「消費税等」という言い方をします。)

    また、申告書を作成する際はまず国税である4%分の消費税額を計算して、その消費税額の25%分を地方税消費税として計算し、これらを合計して納付税額を求めます。
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