稲光誠一税理士事務所

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役員賞与が損金算入へ!? 2006/01/06

18年度の税制改正大綱で役員賞与が損金算入されることになりました。
とはいってもこれは一定の要件を満たした場合にのみ適用されるというものです。
大綱の内容は次のとおりです。

『法人がその役員に対して支給する利益を基礎として算定される給与のうち、 非同族法人が業務を執行する役員に対して支給する給与で当該事業年度において損金経理をしていること、算定方法につき報酬委員会における決定等の適正な手続きが執られており、 かつ、有価証券報告書等で開示されていることその他の一定の要件を満たすものの額は、原則として損金の額に算入する。』

                        〔平成18年度税制改正大綱より引用〕


これまで法人がその役員に対して支給する賞与の額(使用人兼務役員の使用人分に相当する賞与を除きます)は法人税法第35条(役員賞与の損金不算入)の規定により損金の額に算入されることはありませんでした。
今回の改正はこの規定にメスを入れたものですが、その背景には時代の流れ(経済界の要望)が大きく影響を与えているように思われます。

上場企業の約3割程度が従来の終身雇用的な給与形態を廃止し、業績連動型の給与形態を導入し始め、又、欧米の先進国では一定の要件を満たした企業の役員賞与は損金算入されている状況を見れば明らかではないでしょうか。
さらに拍車を掛けたのが今春施行予定の『新会社法』ではないでしょうか。
新会社法では
第361条で『取締役の報酬等』を、第409条で『報酬委員会による報酬の決定方法』をそれぞれ定めていますが、役員の『報酬』と『賞与』を区別しないで『報酬等』と統一しています。
さらに昨年8月に発表された中小企業の会計に関する指針にも役員賞与は費用処理する方針が示されています。
今回の改正はこのような状況下において実施されたものです。

今後、この改正が同族会社にまでその適用範囲が拡大されるかどうか定かではありません。
尚、これと関連して今回の改正により法人税法では新たに役員退職慰労金の優遇制度の見直し論が浮上しております。企業の給与形態が終身雇用型から業績連動型へ移行している状況、退職金の存在意識が薄れてきていることや、一部の外資系企業が退職金制度を利用し租税回避行為と取られかねない節税を行っていること等を新聞紙面上で見かけると役員退職慰労金の優遇制度見直しが実施される可能性があります。

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