稲光誠一税理士事務所

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税務調査がやってくる!! 2006/11/01

事業者にとって税務調査というのは嫌なものです。税務署では7月に人事異動があり、それが落ち着いた秋は調査シーズンと言われますが、今年は異常なペースで税務調査が行われています。現に、当事務所のお客様で調査があったのが、ここ数年は1年を通じても5件ほどだったのが、今年は既にその倍以上の調査が行われており、特に盆明けからはほぼ毎週調査が入ってる状態です。

【現金管理は日頃からしっかりと】
 さて、税務調査が入った場合、まず現金出納帳の帳簿残高と実際の現金残高の照合
 が行われます。そこで現金管理がしっかりできているか否かで調査官の第一印象が決
 まり、その後の調査に影響してきます。
〔現金管理が悪い場合〕
 当然第一印象はよろしくなく、帳簿等そのものが信頼性のないものになってしまいま
 す。
 @ 特に現金売上がもれているのではないかと徹底的に調べられます。
 A 複式簿記でない場合は記載間違い・金額の桁間違いを調べられます。
 B 見積書、請求書、領収書等の一連の繋がりで売上の流れを確認され、それが帳簿
    に反映されているか否か確認されます。
 C 売上のもれが判明した場合、意識的に除外したものとみなされれば、最悪の場合
    は最長7年間分を調査されます。しかも、銀行調査や反面調査となり相当の日数
    を要する為、調査期間が長期となり納税者も疲労困憊の状況となってしまいます。
 D 預貯金については代表者だけでなくその家族全員の預貯金口座まで確認され
    ます。
 E 帳簿書類に信頼性がないため、実額課税で計算することが無理であると判断され
    た場合は推計で課税されることもあります。
 F 加算税についても重加算税(納付税額の35%)が課されることもあります。
〔現金管理が良い場合〕
 第一印象は良く、細かい点にはこだわらずに調査の対象となるものが絞られます。
 @ 複式簿記で記載の場合は、棚卸や期末の売上計上もれなどをチェックされます。
 A 調査対象期間も最終期から3年分までが対象となることが多いです。
 B 処理に多少の間違いがあった場合でも、修正申告とならず指導で済む場合があり
    ます。
 C 銀行調査や反面調査もされず、調査期間も比較的短期間となります。
 D 加算税については過少申告加算税(納付税額の10%)で済むことが多いです。

【最近の調査でよく問題となる事項】
 現金管理を見られた後、帳簿・請求書・領収書等のチェックに入ります。この時、売上漏
  れはないか、経費と売上はきちんと対応しているかなどは当然見られますが、最近特
  に問題となるのが源泉所得税と、消費税の課税仕入適用要件についてです。
〔源泉所得税〕
 〈外注費と給料〉

  特に、いわゆる一人親方(以下「Aさん」とします)に外注費を支払っているときに、Aさ
  んは外注先か社員か、支払いは外注費か給料か、という区分が曖昧になりがちで
  す。
  外注費と給料、支払う側から見ればどちらも似たような性格を有した経費ですが、税務
  上の取り扱いは大きく異なります。外注費であれば源泉所得税はかかりません
  が、給料であれば源泉所得税が課税されます。
そして税務署側は「Aさんは外注
  先ではなく社員さんと同じでは?」「科目は外注費となってますが、実質は給料で
  は?」と、源泉所得税を課税しようとしてきます。
  Aさんとの契約書が雇用契約書になっていませんか?Aさんのタイムカードはありま
  せんか?労働者名簿にAさんの名前が載ってはいませんか?社員さんへの賞与支給
  時にAさんにも賞与相当の金銭を支給していませんか?Aさんへの外注費の請求書
  等が社員さんの給与関係の資料と同じファイルに綴られてませんか?Aさんが他社
  の仕事を請負うことを禁止してませんか?
  これらに該当すると、社員と見られてしまう可能性は高いです。
  また、Aさんがきちんと事業所得として自主的に確定申告をしているかが重要
  す。
  Aさんが「給料をもらっている」という認識であれば通常確定申告はしませんので、
  「では支払う側でも給与として取扱ってください。源泉所得税を納めてください。」
  ということになってしまいます。支払う側だけでなくAさんにも「給与ではなく外注費」と
  認識してもらうことも重要です。
  さらに、外注費か給料かという問題になった時、源泉所得税の他に消費税課税仕入
  の問題も生じます。この件に関しては来月のトピックスで説明したいと思います。
 〈日雇い給与の源泉税〉
  例えば工事現場などで、臨時で働いてもらった人に「はい今日のバイト代」といって1
  万円程支払うことは良くあると思いますが、この日雇いの給料についても源泉所得
  税分を控除
して支払わなければなりません。例えば1万円支払う場合は1,560円の
  源泉所得税が課されます。(扶養控除申告書を提出していない場合の税額です。詳し
  くは国税庁交付の源泉徴収税額表の「日額表」参照)
〔消費税課税仕入の適用要件〕
 消費税課税事業者で原則課税の場合に問題となる事項です。大まかに言うと「請求書
 等の記載事項は適切か」「請求書等の保存はきちんとなされているか」
ということ
 ですが、この件についても来月のトピックスでじっくり説明したいと思います。

さて、来月はいよいよ12月。来月のトピックスでは今回説明を省略した消費税のことについて書いていこうと思います。また、12月は源泉所得税関係で言えば年末調整があります。扶養控除申告書の提出漏れや印鑑洩れはありませんか?保険料の控除証明書もそろそろ郵送されてくる時期です。経理・給与計算担当者の方は早めに確認されてください。

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