〜減価償却制度はどうなるの?〜 2007/03/30
今月のトピックスでは、前回のトピックスでも概略説明しました平成19年税制改正の中から減価償却制度を詳しく見ていきたいと思います。
減価償却制度とは?
建物や自動車といった固定資産を取得した場合に、一度に経費になることなく、税法で定められた使用可能期間(法定耐用年数)にわたり、その資産の価値減少相当額(減価償却費)を費用計上する方法です。
また、減価償却費の計算には定額法と定率法の2つの方法があります。
例)取得価額1,000,000円、法定耐用年数8年の場合
定額法の場合(1年目)【定額法償却率:0.125】
1,000,000円 × 0.9 × 0.125 = 112,500円
定率法の場合(1年目)【定率法償却率:0.250】
1,000,000円 × 0.250 = 250,000円
今回の改正で計算方法は?
平成19年4月1日以後に取得する資産については、以下の計算になります。
例)取得価額1,000,000円、法定耐用年数8年の場合
定額法の場合(1年目)
1,000,000円 × 0.125 = 125,000円
定率法の場合(1年目)
1,000,000円 × 0.312 = 312,000円
定額法においては、取得価額に0.9を乗じて計算していたのですが、改正後は残存価額の廃止により計算しません。
また、定率法における耐用年数8年の償却率は0.250ですが、改正後は定額法の償却率(0.125)を2.5倍した率(0.125×2.5=0.312)が耐用年数8年の定率法の償却率になります。
ただし、定率法を採用する場合、定率法で計算した減価償却費が一定の金額※を下回るときに、償却方法を定率法から定額法に切り替えて、それ以後の年度には一定の金額を減価償却費として計上します。
定額法・定率法ともに法定耐用年数の最終年以後は、備忘価額1円を残します。
※ 一定の金額 = 期首簿価 /(法定耐用年数 − 経過年数)
例)取得価額1,000,000円、法定耐用年数8年の場合
この事例では、1年目から5年目は定率法により、6年目以降は定額法により減価償却費を計算します。
【6年目の減価償却費の計算】
(a) 定率法 154.2 × 0.312 = 48.1
(b) 定額法 154.2 ÷(8年−5年)= 51.4
∴(a)<(b)なので、6年目より定額法により減価償却費を計算します。
平成19年3月31日以前に取得した資産については、従来の計算方法で償却可能限度額(取得価額×95%)まで償却し、それ以後5年間で、残存価額を均等償却することができます。(ただし、備忘価額として1円を残す必要があります。)
新制度は、従来の償却方法に比べると、減価償却費を多く計上できることから納税者にとって有利になるといえます。
なお、減価償却制度の改正は、法人税及び所得税が対象ですので、固定資産税(償却資産)については、従来の計算方法が維持されます。
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