禁煙希望者に朗報!!禁煙治療が医療費控除の対象に! 2007/05/31
昨今、喫煙者の肩身が急激に狭くなってきている。
JR、私鉄ともに車内は禁煙となり、ホーム内でもごく限られたスペースでしか吸う
ことができない。また、飲食店においても喫煙席よりも禁煙席のほうが圧倒的に
座席数が多いし、時間帯によっては、全面的に禁煙タイムとなる店も少なくない。
ひと昔前までタバコを吸うことはある種、大人になった証しのようなものであり、
とくに男の子はタバコをかっこよく吸う大人に憧れを抱いたものだった。
それが今ではタバコを片手に喫煙スペースを求めてウロウロしなければならない始末。
なぜ、これほど立場が変わったのだろうか?そもそも昔からタバコは「百害あって一利なし」という言葉があるように体に良くないことは広く知られている。
いまさら、喫煙者の健康を気遣ってのこと・・・とは思えない。
タバコには2種類の煙があり、喫煙者がタバコを通して直接吸い込む「主流煙」と、タバコの点火部(火の付いている方)から立ち上る「副流煙」がある。
「主流煙」については、いうまでもなく有害物質を多く含んでいるが、タバコに着けられて
いるフィルターによってある程度は除去される。
一方、「副流煙」はフィルターを通さない分、「主流煙」より有害物質を多く含んでおり、アルカリ性のため、目や鼻の粘膜を刺激する。
そして、最大の問題は、喫煙者が自分の意志で有害物質を摂取している「主流煙」に対し、「副流煙」は喫煙者の周りにいる人たちが自分の意志とは関係なく有害物質を間接的に摂取しているところにある。
この問題が世間に広く知れ渡ったのは、2004年7月22日にタクシーの乗務員及び乗客が狭い車内で他の乗客が出した副流煙により健康を害したとして国を相手に裁判を起こした、いわゆる「禁煙タクシー訴訟」が新聞やニュースに取り上げられたためだ。
結局、この裁判では原告側の敗訴となったが、「副流煙」の存在は多くの人々が知ることとなった。
このような背景から禁煙ムードは徐々に盛り上がり始め、更に自社のイメージアップ効果を狙った大手企業が次々と禁煙店や禁煙スペースなどを設けたことにより、ますます拍車がかかった。そしてその影響はとうとう国までも動かしていった。
その具体的な例のひとつに「医療診療報酬の改定」がある。
以前から禁煙治療は存在したのだが、公的医療保険の適用対象外となっており、治療費は全額患者が負担しなければならなかった。しかし、昨今の禁煙運動や肺がんによる死亡率の上昇等の理由により2006年4月から禁煙治療についても公的医療保険が適用されることとなった。
ただし、全ての禁煙治療に適用されるのではなく、以下の基準をクリアしなければならない。

また、たとえ上記基準をクリアしても治療を受ける施設が「施設基準」をクリアしていなければ、保険適用対象外となってしまう。

というわけで、何かと厳しい基準ではあるが、この基準さえクリアしてしまえば、保険を適用することができ、それまで3万円〜4万円ぐらいかかっていた治療代が1万2000円程度に軽減されることとなる。
また、このことは税金面にも影響を与える。個人がその年1年間(暦年)にかかった医療費のうち、ある一定額を所得控除に算入することができる「医療費控除」の対象になるからだ。医療費控除の概要は以下のとおりだ。
自己または自己と生計を一にする配偶者その他の親族にかかる医療費を
支払った場合において、その年中に支払った医療費の金額の合計額が自
己の総所得金額の5%もしくは10万円のどちらか少ないほうを超える金額
を総所得金額から控除できる。
ただし、保険金や高額医療費の支給など補填される部分の金額は医療費
の合計金額から控除する。

また、控除の対象となる医療費の範囲は以下のとおり。

これを禁煙治療に当てはめて考えると、まず、医師による診療または治療については、
先で説明した「施設基準」は病院であることが前提であるため、これをクリアしていれば、
当然、「医師による治療」ということになる。また、仮に「施設基準」をクリアしていない病院等で治療を受ける場合でも「対象患者基準」をクリアし、医師の指導による治療となれば医療費控除の対象となる。ただし、この場合は、公的医療保険の適用は受けることはできない。
なお、ニコチンパッチ(ニコチンを肌から吸収して禁断症状を緩和させる医薬品)も公的医療保険の適用対象となっているが、医療費控除においても医師からの処方箋に基づいて購入する場合は問題ない。しかし、ドラッグストアなどで自分の意思で購入した場合はたとえ医薬品であっても「疾病の予防や健康増進のための医薬品」とみなされ医療費控除の対象とはならないケースもあるため注意が必要だ。
何はともあれ、今後もますます喫煙者の立場が苦しくなっていくなか、病気になるためにお金を出すのではなく、病気を治すためにお金を出してみてはいかがだろうか。