いよいよ国税庁もインターネット公売を開始!! 2007/07/02
今年の6月、国税庁主催による第1回目のインターネット公売が開催された。
インターネット公売とは、税金滞納者から差し押さえた動産・不動産等をインターネットに
掲載し、入札制で購入希望者を募集する。そして、売買が成立すると、その売却代金を
滞納税金に充てるもの。公売そのものは以前からあったが、インターネットを利用したものは、今回が初めてだ。
また、この公売はなにも国税庁だけが行っているのではなく、各地方自治体や行政機関も開催しており、数年前から株式会社 ソフトバンクが主催するYahoo!オークション内で
インターネット公売も実施している。この官公庁オークションは主催するYahoo!オーク
ションが国内最大級のネットオークションサイトであることも手伝い、かなりの成果を上げ
ているらしい。
株式会社 ソフトバンクが発表した資料によると、2005年度の落札総額は約13億円、
2006年度に至っては約31億円と前年の2倍以上の伸びとなっている。
2006年度の落札物件のうち、高額物件をいくつか紹介すると、屋形船 285万円、
SL機関車D51の模型 800万円、北九州市小倉北区の宅地 1億600万円 etc・・・。
この他にもブランド品からワイン、雑誌までなかなかの品揃えとなっており、品物によってはかなりの“お宝”が出品されることも珍しくなく、コレクターの間ではかなりの話題となっている。
それもそのはず、通常のオークションは、不要となった品物や出品者自身にとっはあまり
価値のないものなどが出品されるのに対し、この公売オークションは売る気のない(売りたくない!)品物を強制的に売却されるため、他のオークションではお目にかかれないような品物が数多く出品されている。
事実、2006年度の出品物件の中には一度も市場に流通することがなかった昭和7年発行の新20円硬貨などが多数、出品されていた。
では、差し押さえる品物はどのように決めているのだろうか。そもそも、差し押えとはどのくらい滞納したら執行されるのだろうか。
国税の場合、滞納してから50日以内に督促状が発行される。この督促状が発行されてからさらに10日を過ぎても納税されない場合は、滞納処分が実行される。
滞納処分が実行されると、まず、滞納者(法人も含む)の身辺調査が行われる。
その際、滞納者やその家族等の住民票や固定資産台帳など、通常では外部の者が取得することが困難な書類についても徴収職員が取得し、調べることが出来る。
この身辺調査により、おおよその財産を把握することができるが、それでもなお、財産が出てこない場合や、財産を隠し持っている可能性がある場合には、滞納者の住居等を捜索することもある。
※ただし、全ての財産について差し押さえられるわけではなく、滞納者及びその親族の生
活に欠かすことが出来ない衣服、寝具、家具等や、生活に必要な3ヶ月間の食料及び
燃料など一定の生活必需品については対象外となっている。
国税庁が発表した資料によると、平成14年度の滞納税額は約3兆5000億円、そのうち、滞納処分が完了していない税額は約2兆2519億円もある。2ヶ月の滞納で処分が実行されるのであれば、こんなに溜まるはずはない。
では、何故、滞納処分があまり実行されていないのだろうか。
滞納している納税者の中には、病気や災害などの事情で納付が困難なケースや、滞納処分により財産を差し押さえると事業や生活の維持に支障をきたすケースもある。このような場合には緩和措置がとられ、納税を猶予したり、分割納付を認めるなどの措置がとられる。
そのため、実際には督促状の発行後、納税がない場合でも即、差し押さえとはならず、税務署の職員が納税者と連絡をとり、経営状態や資金繰りなど、納税者の現況を確認した上で、可能な範囲内で納税するよう根気強く指導しているのが実情だ。
よって、強制的に差し押さえられるようなケースは、例えば、十分な資産を所有していたり、裕福な生活をしているのにもかかわらず、納税をしないなど、悪質な滞納者について適用されるようだ。
なにはともあれ、公売物件を購入する分にはかまわないが、自分の愛用品が出品されるような目にだけはあいたくないものだ。