遺言のすすめ 2007/08/31
法律は相続について、法定相続分の割合を決めているだけです。
遺言がなければ相続人が遺産の分け方を協議して決めなければなりません。
この時に仲が良かった兄弟姉妹、家族が争うケ−スが多々見受けられます。
現に、知人の遺産分割においても分割で争い家庭裁判所に申立てをし、調停中
で1年以上も経過しているにも関わらず未だに分割が決まらなかったので、
審判手続きに移行し、強制的に分割するようになったと聞きました。
遺言があれば上記のような家族の争いを多少なりとも避けることができるのでは
ないでしょうか。
(1)遺産分割の優先順位
@ 遺言書があればこれに従う。
A 遺言書がなければ相続人全員で協議する。・・・分割協議
B 分割協議が整わない場合、家庭裁判所に持ちこみ調停や審判に委ねる。
(2)遺言
◎ 遺族に向けて、亡くなった人の最終意思表示です。
◎ 民法に定める方式に従っていない遺言は無効となります。
(法律的に効力のない遺言であっても遺族に対するメッセ−ジであることは否定
できません。)
(3)遺言の方式
@一般的なもの
(イ)自筆証書遺言
(ロ)公正証書遺言
(ハ)秘密証書遺言
A特別なもの
危篤状態、伝染病等での隔離、遭難時などの特別な場合
「自筆証書遺言」
その全文、日付、氏名を自署した上で押印するもの。
(1)メリット
○ 証人は不要。
○ 遺言をしたこと及びその内容については秘密にできる。
○ 費用が掛からず、紙と筆記道具があればいつでも手軽に遺言が残せる。
(2)デメリット
○ 遺言が発見されなかったり、紛失・破棄されたりする恐れがある。
○ 内容が確認できないので不適切な可能性がある。
○ 開封時、家庭裁判所の検認が必要であり、検認を受けないと5万円以下の過料に
処せられる。
※ 検認とは家庭裁判所で遺言書の外形を検証して成立及び存在を確保する手続き。
必要条件
○ 自筆であること、代筆やワ−プロ書きは不可。
○ 日付は正確に書くこと。
○ 署名、押印(実印が一般的)。
○ 財産を特定し、分かりやすく正確に記載すること。
「公正証書遺言」
公証人役場で公証人に作成してもらうもので、原本は公証役場で保管され安全で確実。
(1)メリット
○ 遺言者の口述をもとに公証人が違法又は無効がないことをチエックして作成される
為、法的には間違いがない。(出張の依頼もできる)
○ 家庭裁判所の検認は不要。
○ 紛失しても公証人役場に再発行請求ができる。
○ 20年以内若しくは遺言者が100歳に達するまで、公証人役場で保管。
(2)デメリット
○ 費用が掛かる。(一億円の遺産で行政書士の費用を除いて約63,000円)
○ 証人が2人以上必要となるため秘密が保てない。
「秘密証書遺言」
内容を誰にも知らせない状況で作成でき、ワ−プロでも可。2人以上の証人を連れて公証人役場で公証人に秘密証書遺言としてもらうが内容については公証人も確認できない。
(1)メリット
○ 偽造を防止でき内容も秘密にできる。
○ 遺言の存在を明確にできる。
(2)デメリット
○ 費用が掛かり、公証人も内容を確認できないので現実としてはほとんど利用されて
いない。
○ 開封時は自筆証書遺言と同様で家庭裁判所の検認が必要であり、検認を受けない
と過料がある。
従って、上記の遺言書の中では公正証書遺言が確実なものと考えられます。 遺言は財産がたくさんある人が書くものと思っていませんか? 遺言はあなたの最後のメッセ−ジです。遺言で残された相続人等の争いを 少しでも防げるのなら、遺言を残すことをお薦め致します。