稲光誠一税理士事務所

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住宅取得控除を受けられる方へ 2007/10/01

 住宅取得控除は、住宅取得の為に金融機関から借りた借入金の年末残高の0.5%〜1.0%相当額を所得税から控除できるという規定です。
 しかし、所得税から個人住民税への税源移譲が行われて所得税が減額されたことにより、住宅取得控除について従来までの税額控除が受けられなくなる可能性が出てきました。
 そこで19年度税制改正により、住民税からも住宅取得控除が受けられるような改正が行われました。

【1】改正の背景
 平成18年度の税制改正により所得税から個人住民税への3兆円規模の税源移譲が実施されました。これは個人の所得税が減額し、住民税が増額となるため、個人の税負担の総額は基本的には今までと変わらないということを前提としています。
 しかし住宅取得控除の適用を受けていた方は、税源移譲により所得税が減額されると住宅取得控除額の全額が控除できない可能性が出てきます。

移譲前  所得税額(控除前)20万円 住民税額10万円 住宅取得控除可能額18万円

所得税  20万円 − 18万円 = 2万円
住民税  10万円
 計    2万円 + 10万円 = 12万円

移譲後 所得税額(控除前)10万円 住民税額20万円 住宅取得控除可能額18万円
所得税  10万円 − 18万円 = 0円
住民税  20万円
 計    0 円 + 20万円 = 20万円

このように住宅取得控除前の税額の合計は移譲前、移譲後共に30万円、住宅取得控除額も共に18万円であるにもかかわらず、納付税額は12万円から20万円へと8万円増えてしまいます。
この不利益を解消するために、住民税からも税額控除をできるように改正が行われました。

【2】改正の内容
 「住宅取得控除の適用がある者(平成11年から平成18年までに入居した者に限る)の平成19年分以降の各年分において、住宅取得控除の控除可能税額と、税源移譲実施前の税率を適用して算定した所得税額(住宅取得控除の適用がないものとした場合の所得税額)のいずれか少ない金額から、当該年分の所得税額(住宅取得控除の適用がないものとした場合の所得税額)を控除した残額(0を下回る場合を除く)については、翌年度分の個人住民税からその残額に相当する金額を減額できる」こととされました。
 つまり上記の例(移譲後の方)で簡単に言いますと、住宅取得控除可能額18万円から所得税額10万円を引いて余った8万円を、住民税額20万円から控除する(納税額の合計は12万円となり、移譲前と同じになる)ということです。


【3】手続き
 この規定の適用を受ける方は、市区町村長に「市町村民税及び道府県民税住宅借入金等特別税額控除申告書」(確定申告書を提出する納税者用⇒ http://www.town.miki.lg.jp/section/zeimu/zei_ijou01.pdf
給与収入のみを有しており確定申告書を提出しない納税者用 ⇒ http://www.town.miki.lg.jp/section/zeimu/zei_ijou02.pdf、)
を提出期限(原則として各年度の3月15日)までに提出しなければなりません。
 なお、確定申告書を提出する場合には、管轄の税務署長を経由して市町村に提出することができることとされています。

★☆注意点★☆
@ 所得税の住宅取得控除は、適用初年度は確定申告をし、給与所得のみの方であれ
  ば次年度以降は年末調整で済んでいましたが、住民税の住宅取得控除は毎年上記
  申告書を提出しなければなりません。

A 所得税の住宅取得控除は、申告し忘れてても5年間遡って申告できる規定がありま
  すが、住民税の場合は申告し忘れた場合はその年度の減額が受けられなくなり、
  遡って申告できる救済措置はありません。


 税源移譲により所得税が減った喜びよりも、住民税が増えたことへのショックの方が大きかった方も多々いらっしゃると思います。せっかくその住民税を減額できる規定がありますので、住宅取得控除を受ける方は確実に上記申告書を毎年提出するように注意しましょう。

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