遡って支給された年金と税金 2007/11/01
平成19年7月6日から年金時効特例法が施行されました。
これによって、年金記録を訂正し、年金が増額したにもかかわらず、時効消滅により直近の5年間分の年金のみが支給されるということはなくなり、本来、支給される全期間分に遡及して年金が支給されることになります。
年金時効特例法とは?
原則として、年金は請求しないと受給できません。
また、年金を受給できる権利には、消滅時効(5年を超えると権利が消滅する)が設けられています。
例えば、6年間年金の請求を忘れた人が思い出して申請しても、5年分しかもらえないことになります。
今回、制定された年金時効特例法とは、いわゆる‘消えた年金・宙に浮いた年金記録’問題により、新たに加入期間等が見つかった場合、5年を超えた期間分の年金も支払います、といった法律です。
具体例
60歳から年金を受給していた方で、71歳で追加すべき年金記録が見つかった場合
従来は、5年間分のみ遡り、66歳から71歳の部分のみ支給されていましたが、年金時効特例法によって、60歳から65歳の期間分も支給されることになりました。
遡って支給された年金に対する税金は?
公的年金については源泉徴収が行われ、支給日が属する年の所得として所得税が課税されます。
しかし、年金記録が訂正されることにより5年を超える部分の支給を受ける年金については、税金の徴収権の時効に伴い、所得税は課税されないこととなります。
具体的には以下の3パターンになります。
(1) 直近5年間の年金が支給される場合(具体例:66歳から71歳の部分)
従来どおり、源泉徴収が行われ、本来の支給日が属する年分の雑所得として課税されます。これにより、修正申告が必要となる場合があります。
(2) 年金時効特例法により、5年超の部分が遡って支給される場合(具体例:60歳〜65歳の部分)
課税されません。(源泉徴収もありません。)
(3) 時効となった年金を受け取る者が既に死亡している場合
受け取る遺族の所得となります。
@ 直近5年間の部分 → 実際にその支給を受けた年の一時所得として課税されます。
(源泉徴収の対象とはなりません。)
A 5年超の部分 → 課税されません。
上記のパターンを図にすると
※年金時効特例法は、あくまで社会保険庁側のミスで記録漏れが発覚した場合に限られます。したがって、本人の請求遅れが原因で時効の5年を超えてしまっている場合は、未支給分があっても5年を超える部分が支払われることはありませんのでご注意ください。